夢を語れる仕事ってすてきだなと思います。

日本語学校ではよく夢の話をします。
あなたの夢は何ですか」
「何がしたいですか」
「将来の目標は何ですか」

逆に言うと、ぼーっとすることはできません。 
なぜなら留学生の将来はエスカレーター式には決まらないからなんです。

日本語学校で勉強できるのは最長でも2年。 
2年後、あなたはどうしたいですか、どうなりたいですかと
常に尋ねられるので考えざるをえません。

  
今日はそんな夢についてのお話です。

 

卒業生がときどき遊びに来てくれます。 
顔を見てすぐに思い出せる人もいれば、
当時と雰囲気がガラリと変わって

見違えるように成長した人もいます。

  
共通しているのはびっくりするくらい日本語が上手になっていること。 
それだけでなく、話し方や物腰なども
何となく日本人っぽくなっているのには毎回驚かされます。  
みんながみんな日本語学校時代に
すごく日本語が上手だったわけではありません。 
でも、日本の社会の一員として生活していくうちに、
ことばってほんとうに磨かれていくんですね…。

 

帰国して夢をかなえた生徒さんもいます。 
Kさんは日本語を学びながら花の勉強をしました。
憧れのお店でアルバイトもして、
ビジネスのノウハウもしっかり身につけて帰国。 
今はフラワーアーティストとして活躍しています。

Jさんは帰国して、留学生を送り出す会社を設立しました。 
今でもわたしたちの学校とよいおつきあいをしています。

日本での留学生活や日本語を直接活かすことのできる仕事がとても楽しそうです。 
最近は日本語の本を翻訳したというビッグニュースも入ってきました。 
日本との縁を大切にしてくれています。

  
日本の大学や専門学校に進学した後、
企業に就職して日本人と同じように社会の一員として働いている人もいます。

外見では日本人と変わらないので、
そんな人はすぐには元留学生だとはわからないと思います。 
日本語を聞いてももはや外国人だとわからないかもしれません。

  
起業する人も少なくありません。 
異国でビジネスを始められるなんてすごいですよね。

 

  夢って叶うんだ。

留学生を見ているとそんなことを思い出させられます。   

  
外国語の勉強は最初はがまんばかりです。 
言いたいことが言えない。 
聞こえてるけど意味がわからない。 

漢字やことばが覚えられない。 
大人なのに自分が子どもになったように無力に感じることもあるでしょう。

でも、続けてきた人にはちゃんとご褒美があるんですよね。 

 

長い時間耐えて勉強を続けてきた人だけがたどり着ける場所というものがあって

日本語学校で学んだ留学生はそこにたどり着けた人たちなんだと思います。

1週間や3か月、半年くらいではたどり着けない場所。

 

そんな留学生と毎日接しているわたしたち日本語教師は、 
たくさんの学びを受けとっています。

dream                                                                           「あなたの夢は 何ですか」