「センセイ、内定をもらいました!」

そう言ったときの生徒さんの顔といったら…。 
大学に合格したときも
JLPTに合格したときも
みんな心からうれしそうな顔をするのですが、
正式に社員として仕事が決まったときのうれしそうな表情は別格です。 
おそらく社会的かつ経済的な保障を得たという安心感のせいかもしれません。
今日は、そんな留学生の就職についてのお話です。

 
東京ではさまざまな職場で外国人が働いている姿を見かけるのは、
ふつうのことになりました。
わかりやすいところで言えば、まずはコンビニ。
学校の近くのコンビニで働いているのは
99%の確率で外国人です。
他にも居酒屋、ファーストフード、レストラン、
衣料品店、家電店、携帯ショップ、免税店などでは、
みなさんも外国人スタッフをよく見かけるのではないでしょうか。 

姿を直接見かけることはないのですが、
アニメやマンガ、映画の制作会社などデザイン系の制作部門、
ゲーム会社、貿易会社など企業内にも実は大勢の外国人が働いています。 

厚生労働省の「外国人雇用状況のまとめ(令和510月末時点)」によると、
外国人労働者数は全国で約204万人。
届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新したとのこと。 

労働者に占める割合は約27%。 
200万人と言えば、だいたい長野県の人口に相当します。 
人口の〇〇%はピンときませんが、長野県の人口と同じとなるとわかりやすいでしょうか。 
47都道府県の中のひとつの県まるごと外国人労働者という感覚です。 
けれどもこれは正社員の数ではありません。
正社員は少なくて、契約社員、派遣社員など立場はさまざまとなっています。

  
わたしたちの日本語学校から就職を希望する留学生は、
ほとんどが「技人国ビザ」を希望しています。 
技人国ビザとは技術、人文知識、国際業務を分野として、
日本での就労が認められる在留資格です。 

技人国ビザの取得要件としては、
本人には、本国や日本での学歴、実務経験による技術力、
日本語能力などの条件があります。
一方、雇用する企業側にも条件があり、
給与が規定通りか、
雇用者(外国人)が学歴、実務経験などの条件を満たしているか、
経営が安定しているかなどが挙げられます。 

つまり、雇用する側にも雇用される側にも厳しい条件があって、
それをクリアしなければ取得できないかなり厳しい狭き門なのです。


日本語学校からの就職活動は孤独な戦いと言えるでしょう。 
日本の大学に進学すれば日本人学生と同じように
新卒採用の波に乗って就職活動ができますが、
日本語学校はその流れに入っていませんから、ひとりで就職活動をしなければなりません。 
その意味では中途採用と同じですね。


じゃあ、どうやって就職活動をするの?  

 

それについてお話するには、紙面が足りなくなってしまいました…。

これまでの成功例を見ると、就職が決まった人は、
日本だけでなくどこの国でも活躍できる人だろうなと思います。


大学入試が学力勝負とするならば、 
就職は技術力、人間力、日本語力、体力、知力の総合力でしょうか。 


日本人でもググらないと書けないビジネスメールを書けるか、
日本人と同じビジネスマナーを守れるか、

そこを見られているように思います。 

次回はそんなお話を続けます。

 syusyoku

「本日はお忙しい中、面接の機会をいただきまして誠にありがとうございました。」